

それでは、本日は歴代会長インタビューということで、よろしくお願いします。会長時代の仕事や苦労話などお聞きできればと思います。
歴代会長たって、私は3期しかやってないからなー。会長を引き受けるときも、あらかじめ3期6年って決めたからね。そして、何にも輝かしい功績なんてないんでね(笑)。
そんなご謙遜なさらず・・・。
やっぱり思うのは事務局がずっと新潟県社会福祉士会の歴史をつないできたわけだよ。だから事務局に対して、ご苦労様ということはずっと考えてたかな。あとは、当時は高齢者福祉の研修は沢山あったけど、その他の分野の研修があんまりなかった。会員数が少ない分野の研修がね。だから、プロジェクトを作って、未開拓の分野の開発をしようという動きはしたよね。

星井さんは本当に我々事務局の話をよく聞いてくださった。私たちが言語化できていなかったところをうまく誘導して、考え方を整理してくれたんですよね。
職能団体にとって事務局はコアで、大切な機能なんだよ。社会福祉士会の様々な動きを見てきたのも事務局だと思うしさ。会員からの問い合わせとか、理事会の運営とかさ。それはそれで大変なわけだよ。でも、社会福祉士会って事務局のためにあるもんじゃないから、そこが運営の難しさだよね。
あんまり事務局が主体になって動くばかりじゃいけないですもんね。星井会長時代は職能団体であることの意味づけとか、組織としての在り方を整える時期でした。
まあ、会の安定期だったとも言えるんだよな。前会長が作ってくれた土台もあったし、会員も1,000人超えてきてたしさ。そして、私が辞めるときに新型コロナウイルスが流行り始めた。だから、私の後も大変だったと思うよ。
そうですね。予定していた事業ができなくなったり、研修や委員会の運営のやり方もがらっと変わっちゃって・・・。事務局もてんやわんやでした。
私は歴代会長が敷いてくれた歴史の上を歩いたってだけでさ。こんな機会だから私自身も振り返りをしてみたけど、そんな話すことないなーと(笑)。

星井さんが会長の時代に色んなプロジェクトを進めたり、今の体制づくりのベースを作ったりすることができました。
前会長時代に副会長をやりながら学ばしてもらったからできたんだよね。本音を言えばさ、社会福祉士会の事業とか研修とかに注力はしたつもりだけど、未来へ向けてどういう事務局になっていったらいいのかという構想は抜けてたなって思う。
星井さんとはそこをもっとやりたかったです。当時はまだ予算的にもきつい時期でもあったので、とにかく今の人員体制で回すことをベースに考えたんです。その辺りは現会長に苦労していただいて改善に向かうことができた部分だと思います。
今後は社会福祉士会がどういう組織を目指すかとか、どういう事務局が会員にとって有機的なのかってことを真剣に考えなきゃいけないんだね。何でもかんでも事務局任せという体質を変えるとかね。簡単じゃないけど色んな委員会と理事の役割分担のあり方とかさ。会の中で情報をきちんと共有しつつ、事業の進捗状況をみんなで確認できるようなシステムづくりとかさ。
会の中にどういったシステムを作り上げれば有効で、効率的になるかというのはこれまでずっと課題に感じて、悩んできたところです。星井さんには会うたびに「大丈夫か?」って心配していただいて・・・。
事務局の仕事って気軽に手伝えるものではないからさ。心配することくらいしかできないんだよな。そもそも、事務局が担っている実務をどう手伝ったらいいかも分からない。もしかしたら、それが組織的な問題なのかもしれないよな。
職能団体という組織の独特な一面なのかもしれません。ただ、会長や役員体制が変わっても、事務局はずっとそこに存在するものですので、人事的な変化があっても柔軟に対応していかないといけないなって思っています。あと、会の課題としては若い会員へのアプローチです。そもそも福祉を仕事に選ぶ人が減っているという現状の中で、どういった団体であるべきなのかということは真剣に考えなければいけません。

星井さんが会長のとき、成年後見制度の利用促進の基本計画が動き出しましたね。権利擁護の考え方や社会福祉士が目指すべき後見制度へのアプローチなどが動き始めた時期だったと思います。
2019年かな。市町村の社会福祉計画の改正に伴った計画づくりがあんまり進んでないとなってね。そういった状況の中で、もっと社会福祉士の専門性が期待されるようになるだろうから、まずはその内容を詰めてから計画を進めましょうってね。その時に権利擁護を中心として、身寄りのない方の支援も含めてMSW協会やPSW協会と一緒に合同研修をやったりしたんだよね。
今、またその福祉全体の体制に変化が求められています。
ソーシャルワークの機能っていうのは時代時代で変わるよね。だから社会福祉士が実践する支援のクオリティーをどうやって上げていくかということに職能団体が挑戦する必要があると思うんだよ。
会や職能団体が地域に出てなんてことはできない。だから、会には現場で活動する社会福祉士を側面的に支える機能が必要とされているんですね。
地域づくりに貢献することが求められていて、その目標のために会として何ができるかってことだよね。会員の知識や技術が向上すれば、クライアントの利益に直結する。職能団体の役割ってそこにあるのかもしれないな。それから、法人に所属している社会福祉士が圧倒的に多いわけだけど、法人の側にも職員が会に入るメリットをきちんと理解してもらう必要があるよ。本来、それぞれ法人内でやらなければいけない研修を社会福祉士会が代行しますと。だから、勤務時間外とか休日返上で研修に参加するのではなくて、それを勤務としてくれってさ。
ワークライフバランスが言われていますもんね。
それを我々社会福祉士が崩してどうするんだと思うわけ。最も遵守しなければいけない職種なのにさ。自己犠牲だけでやってると継続性がなくなるんだよ。熱心であるのはいいことだけど、社会福祉士のケアも必要なわけでさ。
今は自分の時間をきちんと保ちつつ、コスパであったり、効率だったりを重視して、必要な情報や知識、ネットワーク作りをしたいっていうのが専門職が持つニーズなのかもしれません。熱量も必要だけど、時代に合わせた活動も求められていますね。
ぱあとなあの研修で事例発表するでしょ。あのときに、「こんなに大変なケース対応でした。」なんてことばっかり発表してたら、後見人になりたいという人がなかなか増えていかないと思うよ。仕事だから大変なのは当然なんだよ。人様の財産と権利を守ろうとしているんだから。でもね、もっとやりがいとか専門職としてのプライドみたいなことを伝えなきゃいけないよね。時代の変化もあるけど、もう情熱だけでやってますなんてのは若い人はどう思うんだろう。

星井さんから後輩や若手の社会福祉士に伝えたいことってありますか?
若い人のことは分からないってのが本音だよね。考え方も多様化してるし、私たちの時代の当たり前なんてもう古い話でさ。大きく言うと時代が変わってるから、その変化は感じていなければいけないって思うけど、若い人たちの全部を分かろうなんてことはできるはずがない。
社会福祉士会の会員数についてはどうお考えですか?
さっきも言ったけど、年会費は安くはないよね。だから、個人ばかりに目を向けるんじゃなくて、法人にアプローチする必要はあると思うよ。会費を出すから研修を受けてきてねって言ってくれる法人を増やしたいね。それが勤務時間であってもさ。だって、それで職員がやる気になってくれて、クライエントのためになれば、法人にとってそんないいことはないんだから。
これまで、休日や夜にやっていた研修に参加していた会員が、ライフステージの変化で参加できなくなることもありますもんね。
あとね、社会福祉士会の委員会に有給取って行くなんてどうかと思うわけ。委員会に参加することで、その人の知識や技術が上がるなんてこともあるわけでさ。それは仕事とイコールなんだよ。切り分けちゃいけないの。個人にスキルアップを任せて、それを法人が使いますなんて変だもんな。
そのためには会としても魅力的で、実のある研修を企画しなければいけませんね。本当に示唆に富んだお話をいただき、ありがとうございました。