

1957年生まれ。重症心身障がい児施設の療育員を皮切りに生業では一貫して障がい福祉の業務に従事。その他、「ぱあとなあ新潟」での成年後見人、「新潟TS(トラブルシューターネットワーク)事務局長」、「全国TS世話人」等をライフワークで担っている。
1989年生まれ。社会福祉法人のぞみの家福祉会相談支援センターひまわり所属。入職時から障がい福祉分野一筋で、現在は相談支援専門員として日々奮闘中。大切にしている言葉の一つが「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。謙虚さを忘れぬ実践者でありたい。
本日はよろしくお願いいたします。大先輩へのインタビューということで少し緊張してますが、改めて、ご所属と主な仕事の内容をお聞かせいただけますか?
新潟市から委託を受けた相談支援事業である障がい者基幹相談支援センター西で相談員をしています。新潟市には4つの基幹相談支援センターがあって、その中の西区と西蒲区を担当しています。人口規模で18万人ぐらいですね。
私が竹田さんに抱くイメージは「いつもお忙しい方」です。以前お聞きした研修ではご自身のことをイノシシ型ソーシャルワーカーとおっしゃっていました。その印象がとても強く残っています。毎日どのようなスケジュールで活動をされているんですか?
その日、その日でスケジュールと業務は変わります。「竹田はいつも事務所にいない。」ってお叱りを受けることもありますが、そういう仕事なんですよね。私が現場と面談が好きというのもありますが・・・。あとは好奇心が旺盛なんです。新しい情報や実践にすぐ引っ張られるので、とにかくその場に行って確かめたい。その衝動は抑えがききません(笑)。

研修では地域づくりの実践も大切にされているとおっしゃっていました。日々の業務ではどのような工夫をされていますか?
『知る』ということから始めることが多いです。それは地域を知る。ニーズを知る。他機関の役割を知る。『知る』には色んな意味があるんですね。私はその『知る』を得るために「ミーティングを開きたいから集まって!」ってフランクに声をかけちゃうことが多いです。それぞれの地域で活躍している各分野の先達がいるわけだから。そういった人たちとつながって、一緒に考える。ゼロから考え、立ち上げるよりそっちの方が効率的だったりするわけですよね。
今は新潟市西蒲区の地域づくりにご尽力されていますね。
そうですね。西蒲区の福祉的連携を底上げしたいと思っています。共通のゴール、あるいは地域の支援体制を強化することを目的にして「ささえあうにしかんチーム会議」という会議体を作りました。と言うのは、令和4年度の統計で、西蒲区が日本でも突出して平均自殺率が高い。特に80歳以上の自殺率が高い地域なんですよ。それは西蒲区が生きにくい地域になっているのではないかと。少しでも平均自殺率の低下につながる活動をしていきたいと考えています。
何か目標としている地域だったり、多団体の活動はあるんですか?
北九州市のNPO法人抱樸(ほうぼく)さんが実践している地域づくりに注目しています。Youtubeでも代表の奥田さんの対談を追いかけたりして。地域の中にある高齢者や障がい者支援の事業所だったり、公的な窓口に誰もが気軽にSOSを持ち込めるようにしたい。身近なところに気軽に助けてと言える地域にしたいと思っています。
竹田さんが専門職や地域の方に声をかけると、たくさんの人が集まってくるのが単純に凄いなーって思います。そういったネットワークはどうやって広げてきたのでしょう?
それはもう年の功ですよ(笑)。西蒲区で障がい者支援の相談支援事業に従事し始めたのが平成14年なので、23年前から西蒲区で相談援助を実践してきたことになります。そして、その頃からずっと好奇心旺盛で飛び回っていたので、あっちこっちに知り合いがいるわけですよ。

竹田さんというと新潟県社会福祉士会の「ぱあとなあ」で中心的な役割を果たされて、権利擁護のスペシャリストというイメージがあります。
権利擁護をライフワークにしたいということを意識して活動をしてきた部分はあります。障がい福祉分野でも、令和6年度の法改正によって、改めて意思決定支援が重要視されている。10年前に今の障がい者基幹相談支援センターに赴任することになったんですよね。複数の社会福祉法人から人員を出し合って新潟市の基幹相談支援センターの活動が始まった。そこで私としては初めてに近いくらいチーム支援を求められたんですね。これまで勤めていた社会福祉法人ではそれなりの役職についていたから、もうベテラン扱いされていた。だから誰も私にダメ出しをしてくれなくなっていたんです。それがチーム支援の場面では「竹田さん、それってこうしたらいいんじゃないですか?」みたいなことを言われる。自分の実践に問題提起をされることなんて、ルーキーのときくらいしかなかった。でも、それって本当に得難い体験なんですよね。
チーム運営がうまくいっているんですね。竹田さんに意見をする職員の方も凄いですけど(笑)。
私はどんどん意見が欲しいタイプかもしれません。相談援助というのは自己満足を優先してはいけないんですね。定期的なグループスーパービジョンで自己覚知ができる環境はありがたいですよ。そして、他の専門職の意見は私自身の中にあるパターナリズムの解消にもつながります。
竹田さんご自身の自己研鑽はどのようにしているんですか?
勉強していないと気づけないという意識は常にあります。それは社会福祉士全員に言えることかもしれません。私が使っているのはAudibleとKindleです。落ち着いて書籍を開いて読むっていうのはもともと苦手なんです。だから、イヤホン越しに本に書かれていることが入ってくるのは便利ですね。ジムで運動してるときや通勤の車中で聞く読書をしています。

竹田さんご自身が10年前のご自分と今を比較したときに、ソーシャルワーク論や実践方法が変わったところはありますか?
若い頃は自分の手柄としての支援みたいなことをやっていたかもしれません。上司から「今の支援は違うんじゃないか?」なんて言われても、「分かってないなー。」なんて生意気なことを思っていましたから(笑)。でも今、基幹相談支援センターで最年長になって思うのは、他者からの意見は本当にありがたいことだということ。ベテランになると言われなくなる。そうすると、意識していないところでパターナリズムが生まれるんですね。我々のそれは決してご利用者のためにはならないから、解消するための仕組みとしてチームビルディングの重要性を知りました。
これまで大きな実績を積み重ねてこられたと思いますが、これからソーシャルワーカーとしての目標はありますか?
先日、ある方の対談を聞いてアンデス地方の「ハチドリのひとしずく」という物語を知りました。クリキンディというハチドリが主人公なんですけど、長くなるので少し端折りますが・・・、物語の中で山火事が起こる。他の動物は一目散に山から逃げるのですが、クリキンディは一生懸命小さな口で水を運んで山火事を消そうとする。「そんなことしても火が消えるわけない。」って周りの動物から言われるんだけど、クリキンディは「私は私のできることをやっているだけ。これは自分がやりたいからやるんだ。」って言って、延々とそれを繰り返すんです。それは現実社会でも同じだなと思うわけです。私がやれることを粛々とやる。それしかできないし、クリキンディのような振舞いって素直に素敵だなと思うわけです。だから、そんな仕事を続けることが目標かな。
なるほどー。それはソーシャルワーカーとしてお手本になるような深いお話ですね!!今日はお時間を作っていただき、本当にありがとうございました。これからも、私たち後輩のご指導をお願いします!!