

1975年新潟市生まれ。学生時代に恩師の研究のお手伝いを通して社協の仕事の面白さに魅入られ、社協入局。6年間ホームヘルパーの仕事に従事後、CSWとして10年、ゴミ屋敷の方の支援や高校進学時の経済的な相談支援などの仕組みづくりに力を注いだ。その後、地域包括支援センターではケア会議で8050問題に取り組むなどの経験も。社会福祉士、介護福祉士、双子男子の母。
1975年生まれ。元海上自衛官という異色の経歴を持つ社協職員。2004年に社会福祉協議会へ入職し、生活困窮や貸付、日常生活自立支援事業、法人後見など、主に相談業務を担当してきた。後見業務で直面した「身寄りなし」の問題に、行政や地域の関係機関と取組み、2020年度「魚沼市における身寄りのない人への支援に関するガイドライン」を作成した。社会福祉士、精神保健福祉士。趣味は葉巻とF1。
社会福祉の世界に入る前に自衛隊の活動をされていたと聞いております。福祉の仕事をしようと思ったきっかけは何かあったのですか?
自衛隊をやめて本当にやりたかったことは百姓です。自衛隊で訓練をしているとき、何のためにやっているのだろうと悩んでいたことがあって・・・。そのとき、田んぼで一生懸命コメ作りをしているおじさんを見て、「あぁ、この人の方がよっぽど社会の役に立っている気がする」と思って。退官後は役場の臨時職員と併せて農家もやっていました。その後、社会福祉協議会(以下、社協)に採用され現在に至っています。

直樹さんは趣味の葉巻やF1もそうですけど、結構ハマりやすい性格の持ち主ですね(笑)。もう少し仕事のことを聞かせて下さい。直樹さんといえば『身寄りなしガイドライン』の作成と実施ですけど、その経緯にはどんなことがあったんですか?
平成27年度に社協が法人後見を始めました。ご利用者には身寄りがいなくて、他からの支援が受けられない人が多いという印象を受けました。医療同意を病院から求められたり、亡くなった後、葬儀をしてくれる人がいなくて、社協職員がお骨を拾うことがあったり・・・。これは社協だけじゃ抱えきれないよねってことで身寄りなしの勉強会を開催しました。その参加者の中から「地域でのルールが必要だよね。」という提案を受けて、ガイドライン作ろうという動きになったんです。
ソーシャルワーカーとしての資質、課題認識や様々な人を巻き込んでいく視点をお持ちですね。困っている方の代弁という福祉教育の実践もされていて、同じ年なのにすごく頑張っていらっしゃると思いながら活動を見ています。地域と人をつなぐ工夫や苦労した点などがあったら教えてもらえますか?
子ども食堂の講演会を魚沼で開催したことがありました。この講演の参加者の誰かが子ども食堂を立ち上げるんじゃないかと目論んでいたんですけど、それで終わってしまって・・・。一方で、南魚沼では同じように講演を聞いた方々が子ども食堂を立ち上げた。企画のやり方が上手かったのだろうなって思いました。失敗から学ぶ工夫もあっても良いのではと考えています。

社協所属の社会福祉士として、直樹さんの仕事に資格はどう活かされていて、その専門性ってどんなところにありますか?
社会福祉士の資格の取得は劣等感が動機になっています。高校を卒業した後に自衛隊という福祉とは全く違う分野にいたので分からないことが多すぎて・・・。ちゃんとした相談対応ができているのかという不安だったり、社会福祉士とか福祉系の大学を出た人たちが活躍しているのを見て、ますます劣等感が募ったり・・・。それでも、資格を取得することで自信になり、実践の土台になっています。実践の面から言えば、生活困窮者の方やひきこもり状態にある方と話すときに、立ち位置は横でもなく下でもなく、対等の関係が求められているように思います。困りごとを抱えている人が、気軽に助けてと言える世の中になればいいと思う。支援をしない支援をしたいと考えています。
土台として社会福祉士の資格が必要だということ、そして、目の前の当事者と対峙するときの態度を常に考えていらっしゃることを感じます。
魚沼にもフードバンクがあって、食べ物がないという人がいたら、登録している協力員にその情報を流します。そうすると、その日のうちに地域の人が持ってきてくれます。それを渡すときに「ありがとう。」と感謝される。地域の人が地域の人を支えるということ。これがまさに地域福祉なんだと思います。「地域の人から寄付された物です。」と伝えると「今はこんな状態だけど、いつか自立して自分が寄付する側になりたい。」と言ってくれる。そんなときにやりがいを感じます。

励みになりますね!!社協の仕事には大変な状況にある方の悩みを聞いたり、相談援助を実践したりして、その方が自立していく姿を目にするという醍醐味もある。それと同時に、地域の方々の優しさや温かさに触れることができたり、様々な活動に共感していただいて「今度は私もやるよ。」と言ってくれる瞬間も大切に思います。ソーシャルワーカーとしてこんなことやりたいとか、夢はありますか?
身寄りなしの方への支援から死後事務までを実践する中で、昔あったような地域で葬式をあげるようなことができればいいなと思っています。自分が定年退職して区長とかになったらやりたい(笑)。身寄りなしの方であっても、私たちが知らないだけでその人には地域のつながりがあったかもしれない。もしかしたら、声をかければ、葬儀に旧友が来てくれていたのかもしれないと思うと、親戚だけではなくて友人や知人とのつながりも把握しておくことも大事だなと思っています。
みんなでお見送りをする地域が実現できたら素晴らしいです。そういう地域がつくられていくために、社協がさらに力を発揮できるといいですよね。最後にソーシャルワーカーに向けてエールをお願いします。
もっと柔軟な発想で企画と実践をしてもいいと思います。福祉の研修会や講演会は必要なこと。それと同時に、遊び心があるような企画があってもいい。例えば、防災とアウトドアやキャンプをコラボさせて、参加したついでに福祉に触れるみたいなこととか、もっと参加しやすさを求めてもいいんだと思います。そして、そんなことを一緒にやっていきたいです。
素敵なインタビューをありがとうございました。