

ふくし後見ネット代表理事。成年後見の相談やコーディネートに従事。仏教書を愛読している。座右の銘は「ぜんざいには塩がいる」趣味は座禅とゴルフ。
一般社団法人ソーシャルデザインワークス(法人後見)代表理事、土田社会福祉士事務所代表、ぱあとなあ新潟本部運営委員。
趣味はコーヒーとダンス、DJ。好きな言葉はLaugh&Peace。映画『天使にラブソングを2』が大好き。
現在、どういったご活動をされているかお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
NPO法人ふくし後見ネットの代表をしています。地域で後見人や保佐人の受任者が不足している。そこで我々は見附市の市長申し立てとか個別の相談を断わらないことをポリシーに活動をしています。
すごいですね!
いえ、いえ。私だけの力ではないです。新潟県社会福祉士会の前事務局長をしていた田崎(2024年逝去)と一緒に始めたんです。こういう組織が地域に必要だなっていうことで。特に田崎と言っていたのは、我々社会福祉士として「地域包括ケアシステム」っていうのは絶対に否定できない。だから、「断らない仕組み」を作ろうと。「難しいケースこそ受任できる団体作ろうぜ!」というのが始まりです。
NPOのメンバーって何人ぐらいいらっしゃるんですか?
実働してくれているのは20人ぐらいです。被後見人は在宅で、お金に余裕がなくて、身寄りもないという方が多い。そういった方々の受任をして、私と田崎で最初の複雑な業務を平準化してから会員に引き継ぐというやり方でやってきました。でも、本当に熱かったのは田崎なんですよ。あいつが頑張って残したこのNPOを市民とか福祉をやってる人に共有したいっていうのが本音です。

小林さんが社会福祉士になろうと思ったきっかけってなんですか?
大学出たばっかりのときは旅が好きで、旅行代理店に入ったんですよ。会社員時代も楽しかったですね。ある会社の社長さんにかわいがってもらって、「社員旅行はお前に任せる。」なんて言われたりしてね。それから新潟に帰ろうと思ったときに仕事がなかったんですけど、姉が「お前は性格的に福祉が合う。」ってアドバイスをくれて。
では、大学で社会福祉士の資格を取って?
ないです、ないです。私は経済学部の出身で、卒論には原子力と破壊をテーマに「価値論」を書いたくらい。だから、最初から福祉一本ではありません。要するに、姉に言われて、福祉を始めたんだよね。でも、福祉やってよかったなと思ったのは、人間がやっているってことを実感できること。民間の会社っていうのは、組織に利益をもたらさなければいけない。でも福祉って違うでしょ。人のためを思って、人間同士として付き合えるじゃない。私は経済しかやってこなかったから通用しないと思ってたんだけど・・・。その頃、社会福祉士の国家資格ができたので、それでもっと勉強しようと思いました。
ちなみに、小林さんの社会福祉士番号は何番ですか?
えーっと、何番だったっけなー(笑)。新潟県社会福祉会の中だと、えっと、10番目くらいの入会じゃないかなー。まあ、もう骨董品だよね(笑)。
僕も他業種から福祉の世界に入ったんです。会社員時代は「〇〇会社の土田です。」って言えるバックボーンがあった。つまり組織に守られているわけです。そして今、後見人をさせて頂いていると、「社会福祉士の土田です。」と言う場面が多くなって。これって僕自身を見られているってことだから、怖さもあります。
分かるなぁ、それ。だから、社会福祉士やる人は、民間企業の組織論とか損益計算とか、ビジネスマナーも学んだ方がいい場合もあるよね。私も旅行代理店を経ているから、遠回りしたかなぁって思ったこともあったけど、本当は全然そうじゃない。

福祉の世界の外側を見ていないと、コストという概念が持てなくなることもありますよね。基本的には福祉は予算というものがあるから、稼ぐという感覚が飛んじゃっていることが多い。やっぱり、民間企業を経験していると、今この瞬間、僕らが動いてるコストやギャランティーってどっから出てるんだろう?っていう意識は常に持てます。
そうだね。でも、それを意識している人が福祉業界にはあんまりいない。それはまだ日本の福祉が未成熟ということなんだと思うな。まぁ、私らベテランの責任でもあるんだけど。
社会福祉士の可能性ってどんなところに見出すことができますか?
それは無限にあるよね。例えば、罪をおかして刑務所にいる多くの人の中に発達障がいを抱えている人がいる。だけど、逮捕されたときに従来通りに取り調べがあって、調書が作られて、そして刑期を終えれば出てくるでしょ。そこに障がい者の通訳がいないんだよね。心の通訳がさ。充分に権利擁護されているとは言えない。そういったグレーゾーンに専門職の存在意義がでてくるわけ。ソーシャルワーカーって呼ばれるくらいなんだから、そこに突っ込んでいく勇気が必要だよね。そうやって社会の中に社会福祉士の存在性を高めていくってことも大事なんだと思うね。
なるほど!!では、小林さんから現役の若いソーシャルワーカーにエールを。
とにかく、自由にやってもらいたいね。自分の好きなことに夢中になって欲しい。それが長続きするコツだと思うから。あとは、社会福祉士としての生き方の問題。例えば、あまりお金がなくて、身寄りがない方に後見人が必要ってなったときに、「キツそうだから受任しない」ではなくて、そういうときこそ手を挙げるの。それはいつかいい経験になって自分に返ってくるんだよ。難しいケースだったとしたら、誰かと一緒にやる。そうやって力をつけていくんだよね。私らのようなベテランは若い人の尻拭いをするの。だって、それが役割なんだから(笑)。