

山形県小国町出身。介護老人保健施設いいでの里事務長。教員から介護の道へ。現場で感じた憤りから仲間と共に声を上げてきた。「目の前の方のニーズ」から始めることをモットーに、認知症ケアの最前線で日々邁進している。社会福祉士、県認知症介護指導者、県認知症ケア専門士会会長、認知症ケアマッピング上級マッパー、県MSW協会副会長、広島カープを愛する会世話人。
大学卒業後、MSW、高齢者施設の介護・相談員を経て、現在地域包括支援センター勤務。「自分は自分でいいんだ あなたはあなたでいいんだと思える共生社会の実現」を目指し、県社会福祉士会の自主活動支援を活用して仲間と共に活動中。社会福祉士。妻と子ども2人の4人暮らし。趣味はサウナ。
ご所属と主な仕事内容を教えていただけますか。
令和7年の5月から、介護老人保健施設いいでの里の事務長になりました。だから、その仕事が半分、あと半分は地域の仕事。胎内市の認知症地域支援推進員、あとは認知症カフェだったり、認知症介護指導者、認知症ケア専門士会会長とかかな。あと、県北地域で法人後見を立ち上げました。
新野さんと知り合って、7年ぐらいが経ちます。当時から全国各地の人とつながっていらっしゃったという印象があります。もともと認知症に関することに関わりたいと思っていたんですか?
障がい児支援に関心があったのと、子どもに野球を教えたかった。その頃、教員採用試験に受からなくてね。だから、地元の山形小国にある特別養護老人ホームの介護職として働き始めたんだよね。でも、その支援体制に疑問を感じていたから、それに対して声を上げていた。
未経験で介護のことも分からない中で、問題提起をされていたんですね。
職員は一生懸命やってるから、自分の支援や介護に悪気はないんだよ。教科書も何もないし、上から教えてもらったから素直にそれを実践している。でも、そのやり方おかしいよってことが色々あってさ。技術的なことではなくて、モラルとしておかしいよってことがね。

まだまだ、介護の世界が未成熟だったんですね。たまたま、高齢分野に入って、現場の実践に疑問を感じて、それを「なんとかしたい」「しないといけない」という意識をずっとお持ちなんですね。
先駆的なケアをやっている施設は見にも行った。やっぱり見に行かないと、行動しないと変わらないから。そして、それを自分が活動する地域に落とし込む。
新野さんは色んな研修に行かれていますし、様々な活動をされていますよね。「しんどいなー」って思うことはない?
あるある!!事務長になったから、労務管理的な部分は学び直す必要がある。それをやりながら、研修の締め切りがやって来る。でも、やりたいこととか、行きたいとこがあるから休んでる場合じゃないんだよね。
そのバイタリティーがすごいです。 社会福祉士を取ったのも、ご自分の目指すもののために必要だと思われたからでしょうか?
最初はいらないと思ったの。なくても実践はできるから。でも、相手側の受け取り方が社会福祉士の資格があるとないのとではちょっと違うなと思った。そして、社会福祉を学ぶと、高齢分野だけじゃなく、世の中にアクションができるようになる。
新野さんが活動されるときのバランスや基準はどのように考えているんですか?
誰と誰をつなげばいいかとか、どこに声かければいいかとかは意識している。だから、使える資源を知っていないとダメだよね。相手のことも分からなきゃいけないからさ。そういった意識が実務の中でネットワークとしてつながるんだけど、最後はやっぱり自分で直接会いに行く。聞きに行く。

新野さんが行動されるのは、『困っている人を見捨てない』という精神が根底にあって、そこが原動力になっている。これからの目標はありますか?
ないない。だって、そのときそのときに出た課題をクリアしていくだけですから。法人後見を立ち上げたのだって、困っている人がいるからだからさ。
なるほど。やっぱり、そこなんですね。
困っている人って、時代や時の流れで違ってくる。例えば、災害が起きれば、そのときにできることをやる。だから、どこを目指すなんていうことはない。
常に、『困っている人がいるから』という地点からスタートするんですね。
ニーズありきだから。認知症の人は喋れないかもしれない、行動に移せないかもしれないけれど、そこにあるニーズをキャッチすることが大事。そして、そういった本人主体の支援活動を事業所から発信していく。
ご自分がしたいと思ったことを、ネットワークの力で達成してきたことってあると思うんですよ。だから、これからも目指すとか目標にするものがあって、そのために何をすべきか考えているのかなと思っていたんです。
今関わっていることを全部やめて、毎日、昼はコーヒー飲んで、夜は酒飲んでって、それもいいよね。そしたらさ、そこに誰か集う場所ができる。自分でそういう居場所を作れればいいよね。

それも素敵ですね。これから社会福祉士を目指す若い世代に伝えたいことはありますか?
社会福祉士としてよりさ、人としてどうかを意識した方がいいような気がするよね。だって単なる資格だもん社会福祉士って。そりゃ、資格を取れば、多少意識が変わるかもしれないけど、それを活かすには日常の生活で、「あれ?」とか「おや?」とか思ったときに、声に出すとか行動するとかだよね。だから、「行動してみて。」と言いたいよね。そうすれば、環境が動くから。
動くのも勇気がいるし、一人では難しいかもしれない。だからこそ、仲間は大切ですね。
人として行動する。人として一歩を踏み出す。 勉強もする。苦しいことがあるかもしれないけどさ、なんか社会福祉士としての輝きがあればいいよね。だから、そこの支えにはなりたいよね。そして、自分の事業所だけ良ければいいっていうのも違うって思うんだよね。
社会全体的に見ると、自分さえ良ければいいという傾向になってきてるんじゃないかなと感じます。
例えば、施設で言えば、そこに入居してる人たちだけが幸せではダメなの。もちろん、入居している人が幸せなのが当たり前だという前提でね。だけど、入居する前に地域で暮らしているわけじゃん。だから、地域福祉って大事になる。福祉システムを動かしやすいから、便宜的に分野ごとで分けているけど、目指すとこは一緒なんだよね。
そうですね。 その視点をなくしちゃダメですよね。
施設で暮らしている人たちも、そうでない人も幸せになる。だから、どこの施設がどうだとか、ああだとか評論するのは嫌なんだよ。そんな文句言ってんだったら、自分がそこに行って改善したい。あらゆる施設に入らせてもらいますよ。新潟県のアドバイザー派遣事業もあるし。 認知症ケアはまだまだ2、30年前と変わってませんよ。コロナ禍で停滞しちゃったこともある。あれから面会が自由じゃなくなったじゃん。外出も自由じゃない。もとに戻したり、改善しないといけないことはたくさんある。
なるほど。もっとお話をお聞きしたいのですが、お時間になりました。今日はありがとうございました。