

1977年生まれ。2001年から社会福祉協議会で働く。ボランティアや市民活動、地域の支え合いなど地域づくりに関わる仕事に従事。新潟県社会福祉士会の理事として生涯研修を担当。ソーシャルワーカーの資質向上や人材育成にも取り組む。社会福祉士、精神保健福祉士。趣味は旅行と御朱印集め。神社仏閣を巡るのが癒し。
横浜で大学職員として勤務。結婚を機に佐渡に移り、福祉の仕事に出会う。社協、法テラスを経て、相談支援事業所へ。8年前に独立し、相談支援センターそらうみを設立。その後法人後見を開始。関わった方々と夢や希望を一緒に考え進む支援を目指す。社会福祉士、精神保健福祉士、子ども家庭ソーシャルワーカー。
今日はよろしくお願いします。奈美さんは佐渡の地域福祉を引っ張る存在、そして、新潟県社会福祉士会が行う基礎研修の中心的な講師を担っていただいています。SADO Actを立ち上げてから何年になりますか?
法人を作ってから、8年目になりました。その間、コロナ禍があったりして大変でしたけど、みなさんのおかげで順調にやってくることができたなーって思っています。
SADO Actを起業しようと思ったきっかけは何ですか?
成年後見をやりたいと思ったのが大きなきっかけです。以前から独立したいとは思っていたんです。でも、障がい者支援のフィールドに入ったら、それはとてもやりがいがあって、楽しくて。そしてやっぱり、思っていた成年後見の道を進もうと決意をしたのが8年前です。障がい者の計画相談支援を続けたのも大きかったかな。一緒に進んでいける職員にも巡り会えました。
奈美さんの人柄ですね!!いつも自然体という印象を受けますし、笑顔でいるから人が集まって来るんですね。社会福祉士の資格取得はどんなきっかけですか?
佐渡市社会福祉協議会(以下、社協)に入職をしたとき、「支援を実践するためには、何が大事なんだろう?」って考えたことがあったんです。国家資格として社会福祉士というものが存在するということは、やっぱりそれは大切なことなんだろうと思って挑戦することにしました。社協の先輩の中にも社会福祉士がいて、その方たちの影響もあります。

社会福祉士の資格を取る前と後で、何か変わったところはありますか?
支援者として地域で存在感を発揮するためには、やはり資格を持つべきなんだろうとは思います。もちろん、資格がなくても頑張ってやっていたつもりですが、有資格者になることで周りからの求められる仕事の質が違いが出てきたという感覚はあります。より専門性を求められるようになった。そして、自信を持って実践ができるようになりました。
社会福祉士としてやりがいは、どんなときに感じますか?
福祉を全く知らない状態でこの世界に入ったので、多くの専門職が他者に寄り添っている、一生懸命ひたすらに仕事をしている姿にいい意味でショックを受けました。世の中にこんな人たちがいたんだーって。何かに困っている方のサポートをしながら、その方の人生を一緒に歩いていくというのは、他の仕事にはない気がします。長らく大学で勤務をしていましたが、学生は4年間だけそこにいるけれど、卒業後はほぼ関係がなくなる。でも、福祉の仕事ってずっと一緒という感じ。20年以上お付き合いをしている方もいますが、そういった関係は自分にとっても宝になります。
今後の思いや展望はあったりしますか?
今までは常に必死でやってきたという実感があります。社協に勤めていても、独立してもずっと必死でやってきました。それはこれからも続きそうですが・・・。サービスの提供も大事だし、後見人としてしっかりと務めを果たすことも大事ですけど、それぞれの人がやりたいこととか、わくわくするような楽しみを一緒に探すような存在でありたいと思います。どこか福祉という枠組みを超えたものへ挑戦したいです。

奈美さんのクライエントに対する姿勢が分かります。クライアントに向き合うときに、工夫していることや、気をつけていることはありますか?
一生懸命に意思決定支援に取り組んでいるので、ご本人の権利をきちんと考えた実践を心掛けています。それぞれの方が抱える困難に違いがあるので、実現することが難しい場面もありますが、人権についてはきちんとフォローしたい。意思決定支援というと難しいと思われがちですが、要するに「あなたのことをもっと知りたい」ということをベースにした支援の実践なんです。だけど、福祉の側に時間が足りないとか、課題が多くて対応が難しいといった困難さにばかりに目がいっちゃうと、その大切なことを見落としがちになります。
そういった部分が佐渡の地域づくりやソーシャルワークに広がっている?
多職種連携を大事に活動してきたと思っています。充実した制度設計がされたり、考え方や理論も整理されて、この20年で福祉の環境は大きく変わりました。でも、常に自分も勉強をして、新しい情報を知識として取り入れながら、佐渡という地域に福祉のネットワークを整えたいと思っています。一緒にやってくれる仲間たちも大勢いるので。でも、制度が充実したからそれでゴールなんてことにはならない。その制度をきちんと使えるように勉強しなければいけないし、それを地域に落とし込まなければいけない。ここに、ソーシャルワーカーの出番が出てくるんだと思います。
8年目を迎えたSADO Actですが、これから10年の展望はありますか?
この先10年で大きく社会構造が変わって、それに伴って福祉も変わっていくと思うんですよね。AIやロボットなんかも福祉の世界にどんどん取り入れられると思います。でも、これまで専門職が人と人をつなぐ仕事を、地域で地道に実践してきた。そういったアナログ的なマインドは忘れずにやっていきたいです。綺麗な言い方になるかもしれないけど、心と心をきちんとつなげるソーシャルワークが展開していけるといいなと思います。

これから福祉を目指す人、あるいは、現任の社会福祉士に向けてメッセージをお願いします。
社会福祉士という仕事って、ものすごく深みがあるものだと思っています。当然、難しさもある。でも、ご利用者と地域で一緒に生きるというやりがいや楽しさの方が勝る仕事です。目指すものはみんなそれぞれ違うと思うけれど、仕事に夢があって、みんなで頑張ることができるのはとても貴重なこと。これから社会福祉士になる人とは世代は違うけれど、お互いの知識と知恵が混ざり合うことで福祉の世界がより良くなることを望みます。
最後に奈美さんにとってソーシャルワークとは?
ソーシャルワークは『希望』です。障がいを抱える方や高齢者、子どもにとって、困っている人にとって、地域にとって・・・色んな意味で。もちろん、私たちソーシャルワーカーにとっても。希望は生きる原動力になるし、ネガティブなことを払拭してくれる。だから、一人のソーシャルワーカーとして、希望を分かち合える存在でありたいと思います。
全てのソーシャルワーカーに響く言葉でした。ありがとうございました。