本多:今日はよろしくお願いします。新潟県社会福祉士会には1300人を超える社会福祉士が所属しています。その職能団体が法人化をして20周年を迎えました。そこで、20周年を記念したサイトを立ち上げるんですけど、新潟で活躍する著名人と社会福祉士が対談をする企画がありまして、紗理奈さんにお願いした次第です。

本間:20周年おめでとうございます!!それにしても、スペシャル対談のメンバーが凄すぎて恐縮します。
本多:いえ、いえ。社会福祉士会の理事の中にも、紗理奈さんの番組のリスナーがいて、ぜひお願いしたいとなりました。早速ですが、紗理奈さんは社会福祉や社会福祉士という仕事についてどんなイメージをお持ちですか?
本多:いえ、いえ。社会福祉士会の理事の中にも、紗理奈さんの番組のリスナーがいて、ぜひお願いしたいとなりました。早速ですが、紗理奈さんは社会福祉や社会福祉士という仕事についてどんなイメージをお持ちですか?
本間:福祉関係のお仕事をされている方から番組にメッセージをもらったこともありましたし、福祉を利用されている方のご家族から感謝や思いが込められたメッセージもありました。そういった意味では、間接的にですが福祉の現場を見聞きすることはあります。印象としては、人の生活に寄り添う人たちが福祉をやっているんだろうなって思っていて。大きな声を出して、「こっちおいで!」っていうのではなく、静かに手を差し伸べてくれているようなイメージがあります。あと、私の祖母が福祉のお世話になっていたことがあります。もう亡くなったんですけど、ずっとお世話になっていた場所があって。そこで働いる方から面会に行った家族まで元気にしてもらいました。職員さんの内側からにじみ出ている優しさみたいなものって、現場に行かないと体感できないと思いました。

本多:福祉の現場に触れられたことがあるんですね。今、私は高齢者やご家族の相談をお受けする部署に配属されています。私たち社会福祉士は生活の困りごとなどの個別の相談援助だけではなく、組織マネジメントやネットワークづくりをしたり、地域の関係者や住民の力を活かし、地域課題の解決を図ることなども仕事の範囲になります。また、高齢者、障がい者、児童、医療、生活保護や生活困窮など分野も多岐に渡り、最近は学校(スクールソーシャルワーカー)や刑事司法の分野など広いフィールドで活躍しています。
本間:フィールドが広いんですね。そうしたら、社会福祉士さんというのは、もっと気軽に相談していい相手ということでしょうか。
本多:そうなんです。広報啓発もしているのですが、まだまだ努力不足かもしれません。困りごとを抱えながらもご家族だけで頑張ろうとする方が多い。それはそれで尊いことなんですけど、もう少し早く相談に来てくれれば、事態が重くなる前に予防ができたのになぁという場面もあります。
本間:なるほど。何かに困っている方が声を上げやすくすることは大切なことですね。「これを言うと恥ずかしい」みたいなことがあるかもしれないけど、ちゃんと受け止めてくれる人がいるよってことは伝えないといけませんね。


本多:今更ですけど、やっぱり紗理奈さんはお話が上手で、声がいいですね(笑)。ラジオを通して声を聞いている人は多いと思いますが、直接会っているわけではない。言葉だけで伝えるっていうのがすごいなって思います。

本間:ありがとうございます。でも、言葉って難しくて…。テレビとか雑誌だと「これ見てください!」って、ビジュアルをポンって出せば視聴者が受け取ってくれる。でも例えば、ラジオでリスナーさんに伝えたいラーメンがあったとしたら、「熱々で湯気がすごくって、メンマとすっごい綺麗な緑色のほうれん草とつやっつやの玉ねぎが乗っています。」って、全てを口頭で表現する必要があります。やっぱり、その点が難しいですよね。
本多:すごいなぁと思います。あと、リスナーさんからメールとかでメッセージが来るでしょ。同じ言葉でもニュアンスによって、軽い感じなのか、深刻なのかその文面から読み取らなければいけない。そういった面もでも難しいだろうなぁって想像します。
本間:悩んでいそうだなーとか嬉しそうだなーとかは雰囲気で伝わってきたりします。それを感じ取ることもパーソナリティーの仕事のひとつだと思っています。
本多:私たちは現場で人と会えるわけです。つまり、目の前に困っている人がいるから、その姿が見えているわけですよね。その方の表情とか、仕草とか、なんか怒っているのかなとかを視覚で感じ取ることができる。そして、社会福祉士の仕事って、話すということよりも聴くことの方が重要だったりもします。その聴くということのための言葉選びはします。
本間:あ、すごい聞き上手っていう感じがします(笑)。
本多:紗理奈さんはマイクに向かっているときって、どんな風にラジオの向こうにいる人たちをイメージしているんですか?
本間:多くのみなさんというよりは、一人の「あなた」に向かって言葉を発しています。リスナーさんの多くは、一人でラジオと向き合っているのと思うので、個対個の感覚で言葉を発していることが多いです。リスナーさんが一人で私の番組を聞いてらっしゃる姿っていうのは、こちらからは見ることができない。だけど、もしかしたらその方が「ああ、今の分かる。」とか「へー。あそこに行ってきたんだー。今度、行ってみよ。」とか、声に出さなかったとしても思ってくれたりすると思うので。だから、個対個という感覚なんですよね。

本多:それは初めて聞く感覚です。例えば、講演会とかでお話をするときって、目の前に聞いてくれる人がいるから反応が分かる。その反応でこちらの表現とかも変わってきたりします。でも、ラジオってそれがタイムリーには分からないから、難しいだろうなって思うんです。
本間:公開生放送とかであれば、目の前で笑ってくれたり、表情が見れたりするんですけど、普段はスタジオの中です。そのときは、ガラスの向こうにいるミキサーさんの反応を窺うようにしています。面白いときは笑ってくれるミキサーさんがいるんですよ。あと、ADさんが笑っているのが見えたりすると安心します。逆に、「やば、滑ったな。」みたいなときもありますけど(笑)。


本多:言葉選びとか、言葉遣いについて、何か意識していることはありますか?
本間:ラジオってビジュアルをお見せできないので、どうしても喋り過ぎたり、説明し過ぎたりするんですよ。だけど、説明じゃなくて、『伝える』をベースにしなきゃいけないと思っています。何か物を紹介するとき、その瞬間に感じた「すごっ!」とか「かわいい!かっこいい!」っていう感情をストレートに出した方が伝わりやすいのかなって。その方がリスナーさんとの距離が縮まって、見えてはいないけど伝わるんじゃないかって思っています。
本多:
マニュアル通りの説明や対応では、伝わりきらないことってありますよね。社会福祉士の仕事では、伝え方は相手に合わせて、配慮しています。また、相談に来られる時には何かしら困っている時なので、ご本人もその家族も普段のメンタルの状態ではないかもしれないということを肝に銘じておかなければなりません。人によっては悲しみや怒り、不安や葛藤を抱えながら相談に来られます。社会福祉士の専門性や経験が必要だと思います。
本間:なんかフォーマルな相談相手って思うと、緊張するかもですね。友達、仲間みたいに思ってもらうことも必要になってきますね。
本多:世代やその方が抱えている課題によってはそうかもしれません。人として寄り添うことが大切になりますが、相手との距離感が難しいですね。
最近は、生きづらさを抱えている人、社会的に孤立している人などの課題があり、解決のために「つながり」を作ることが福祉には求められています。「つながり」を作ることで、助け合うことができたり、相談にもつながりやすくなると思います。我々の仕事は福祉だけでは難しいことが多くあり、地域住民や企業などの協力も必要です。ラジオを通して、仲間ができたり、楽しみ、生きがいを持った人もいると思います。少し話はずれましたが、そういったつながりを作り、本人らしい生き方ができる社会を創るのは福祉が目指しているものと似ている部分だと思います。きっと、「紗理奈さんの声が聞けた。今日も頑張ろう!」っていう人が多くいると思いますよ。

本間:そんな風に思って下さる方がいたら嬉しいですし、やりがいになります。私は声が大きいので、ただ大声で笑っただけで、「悩んでいたけど、その笑い声でなんか吹っ切れた。」みたいなことを言われたことがあります。あとは何かに怒っていた人からのメッセージに「そうだ、そうだー!」って大きな声で賛同しただけで、その方の怒りがおさまったみたいな。ラジオを通して、パワーのお裾分けみたいなことができていたら嬉しいです。
本多:パワーのお裾分けをしてもらっている人は多いと思いますよ。紗理奈さんの声を聞いているだけでも元気になったとかね。ラジオを通して、「一人じゃないんだ」って思う人もいると思うし。紗理奈さんの声と元気は特殊技能だと思います。社会福祉の分野ではそれをエンパワメントって言いますけど、話をすることで誰かを元気づけたり、何かに向かう勇気につながったら大きな成果です。


本間:社会福祉士さんも番組やればいいんじゃないですか(笑)。「WOW WOW 社会福祉!!」みたいな。あ、今のタイトルすっごいダサいですけど(笑)。
本多:それ、前に考えたことあるんですよね。社会福祉につながっていただくためには、こちらの情報を広く届けておかなければいけないって。何かしら一緒にできたら嬉しいですね。話は変わりますが、気分が乗らない日とか、なんかテンションが上がらないときもあるでしょ。そんなときはどうしているんですか?

本間:あります!!私も人間ですから(笑)。でも、無理に上げようとはしないです。聞いてくださっている人だって、いつでもテンションが高い人はいないと思っているので。先ほど、「あなた」という焦点化のことをお話しましたけど、ラジオの向こうには凄く悲しい気持ちの人もいると思いますし、ハッピーな状態の人もいる。みんなの喜怒哀楽が同じレベルではないから、全体に合わせることもできない。だから、私も今の自分の心の状態のままで話せばいいんじゃないかって思っています。アメリカではAIがラジオパーソナリティをやるっていうニュースがありました。でも、私はどれだけAIが発達していったとしても、人の心を動かすのは人間だと思っています。AIは情報を正確にまとめて伝えることはできるかもしれない。だけど、人間が持つ複雑で、深い感情を表現したり、読み取ったり、揺れ動かしたりするのは、やっぱり人間にしかできないことだと思っています。
本多:だから、紗理奈さんのファンが多いのかもしれないですね。顔は見えていないけど、そこを無理してやっているときっとバレますよね。「あ、なんか無理してるな」って。あとは人間臭さがなくなるというか。距離を感じてしまうかもしれない。私たちの業界でも社会福祉士という仕事がAIに取られるみたいなことで言う人もいるんだけど、私は絶対ないと思っています。対人援助という言葉があるように、人を支えるということは感情と感情が交差する部分が大きい。それは人間にしかできないことだと思っています。最後になりますが、紗理奈さんから社会福祉に携わる人たちへのメッセージをお願いします。
本間:少し前に福祉現場で事件がありました。そのとき、福祉とか介護をやっている人たちの大変さをどれだけみんなが理解しているんだろうって思ったんです。事件を肯定することはできないけれど、福祉に携わっている方々の心が壊れない方法を見つけないといけないと思います。だから、目の前の困っている人を大切に思うのと同じくらい、自分も大切に労わって欲しい。具合が悪いなと思ったら休んでいただきたいし、心のケアもして欲しい。それから、福祉を利用する方に向かって欲しいと思います。今日、色々と福祉のお話を聞かせていただいて、社会福祉士の存在意義を知ることができた気がします。
本多:ありがとうございます。社会福祉士みんなのモチベーションになると思います。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。


1991年、新潟県弥彦村生まれ。2014年4月、㈱エフエムラジオ新潟に入社。ラジオパーソナリティ、ディレクターを兼務。担当番組は、FM-NIIGATA 77.5で毎週月曜・火曜の16:00から放送中のSOUND SPLASH。明るく元気がモットー!みんなでわいわいするのが大好き!趣味はカラオケ、お酒を飲むこと。イメージと違うといわれますが、実は4才から高3までピアノをやっていたり、部活は吹奏楽部だったり、書道を習っていた過去があったりします。


1980年、新潟県弥彦村生まれ。認定社会福祉士(高齢分野)。社会福祉法人新潟市社会福祉協議会(旧新潟市福祉公社)のデイサービスセンターで介護員、生活相談員として福祉の道に入る。その後、社会福祉法人吉田福祉会へ移り、燕市吉田地区地域包括支援センターにて社会福祉士として勤務。相談支援事業所ひまわりでは管理者兼相談支援専門員を経験。平成28年度からは公益社団法人新潟県社会福祉士会へ出向し、新潟県地域生活定着支援センターのセンター長を務め、県内外で活躍。現在は再び吉田福祉会に戻り、燕市吉田地区地域包括支援センターの管理者として、地域福祉の現場で活動。また、同法人の居宅介護支援事業所、相談支援事業所を含めた在宅相談部門の統括業務や法人運営、人材育成に関する業務も行っている。新潟県社会福祉士会での活動として、新潟県社会福祉士会理事(地域生活定着促進事業担当)、「ぱあとなあ新潟」会員として活動。また、認定社会福祉士制度スーパーバイザーに登録しており、専門職の質の維持向上に協力している。日本社会福祉士会リーガル・ソーシャルワーク研究委員会の委員も兼務。地域では保護司としても活動。趣味はマラソン、スノーボード。美味しい料理とお酒を嗜むことが日々の楽しみ。